ロリン・及川
日系コミュニティーのメンバー、子ども達からシニアの皆様、そして名誉ある招待者たちは2019年11月15日金曜日の午後、政府の理事会室に集合しました。このグループは、BC州における歴史的な不正行為を償うための勧告書と題する報告を全カナダ日系人協会の代表団が手渡しするところに立ち会いました。報告書の中で勧告された鍵となる行動とは、2012年にBC州立法府における謝罪動議の内実を作りうるものです。それは、私たちが電子ニュース、「日系ボイス」、「ザ・ブルティン」などでお知らせしてきたとおり、BCリドレスの公聴会で何ヶ月もかけて数百人という日系カナダ人の意見を聞き、結果をまとめる作業をしてきたものです。この報告書はその結果できたものです。
公聴会では差別を受け、町から追放され、財産を没収され、収容所に強制収容された私達の地域の会員の話を聞きました。州政府理事会室での集会では、メアリー・キタガワとジュディー・ハナザワの話がありました。これらの出来事は日系カナダ人の個人の身に深く刻まれている体験でした。日系カナダ人は長くブリティシュ・コロンビア州で生活してきました。例えば私の祖先は1800年代にブリティシュ・コロンビア州に移住してきました。しかし人権と教育を受ける権利を否定され、第二次世界大戦勃発とともに強制的に収容所に収容され、戦争が終結したのち4年間も収容所での生活を余儀なくされました。カナダ軍とカナダ連邦警察は連邦政府に日系カナダ人を強制移動・収容させる必要は無いと勧告しましたが、連邦政府は無視しました。日系カナダ人は一人として、カナダに対する忠誠を欠く行動で起訴された人はいませんでした。
私達は、日系カナダ人がブリティシュ・コロンビア州政府から受けた人としての諸権利への違反と結果する損害を正すために意味のある対策を決定すべく開いた公聴会を、ブリティシュ・コロンビア州政府が、支持してくれたことを評価します。この報告書は日系カナダ人社会を復興するためには何が必要か、将来日系カナダ人が被ったような不正行為をカナダの、いかなる祖先を持つ人達も被らないですむためにはどうすればよいかを検証するものです。この報告書をまとめることは日系カナダ人に敬意を表するのみならず、ブリティシュ・コロンビア州社会の利益になることだと思います。
ブリティシュ・コロンビア州政府観光芸術文化大臣のリサ・ベアさんは「ブリティシュ・コロンビア州政府の行動により日系カナダ人は第二次世界大戦の戦前、戦中、そして戦後、多大な損害を被った」と認めています。
私はこの報告書をベア大臣に提出する名誉を担いました。私は報告書を提出した時にその場にいた日系カナダ人、会見をインターネットを通じて見守った人達がこの報告書を支持していることを強く感じました。そして私は、1942年当時の、私の家族を含む2万2千人の日系カナダ人に思いを馳せました。
ベア大臣は次のように言っています。「私達はこの報告書を綿密に考察します。そしてその後にNAJCと協力して我々が日系カナダ人の被った不正を忘れないように、また同様なことが将来起こらないようにするための計画を作ろうと思います。」
NAJCはこの報告書に含まれる勧告をどのように具体化していくか、ブリティシュ・コロンビア州政府と協力して作業することを期待しています。そしてこの勧告を具体化することはブリティシュ・コロンビア州政府と日系カナダ人の和解にとって根本的に必要なことであり、またブリティシュ・コロンビア州が誰をも受け入れる社会に向かって前進することを助けるものだと思います。
私はこの会合を成功に導くために心血を注いでくれたNAJC理事会理事のスザン・タバタに特に感謝いたします。
この会合の記録と報告書と補足資料へのリンクにアクセスしたい方々はNAJCウェブサイトnajc.caを御覧ください。
NAJCは2019年11月28日のグレート・ノーザン鉄道事故110年記念祭に参加します。この事故で43名の鉄道労働者を乗せたグレート・ノーザン鉄道の列車がブリティシュ・コロンビア州バーナビーの谷に脱線落下し、23名が亡くなりました。亡くなったのは日系カナダ人で、混雑した車両に閉じ込められ脱出できませんでした。事故現場近くには事故を記念する盾が設置されています。この盾は、ブリティシュ・コロンビア州労働遺産センターが、労働者を記念する盾をブリティシュ・コロンビア州に設置するプロジェクトの一つとして設置されました。日系カナダ人の鉄道労働者としての歴史はあまり知られていません。わたしはこの記念の盾が日系カナダ人鉄道労働者、人種差別を受けた人達、カナダ原住民の人達の20世紀初頭の労働条件に目を向けるきっかけともなることを願っています。
NAJCは他の団体と一緒に次のような記念式典にも参加します。女性に対する暴力に対して行動する日(12月6日)、世界障害者の日(12月3日)、人権の日(12月10日)、世界移住者の日(12月18日)。
12月はいろいろな祝日の多い月です。クリスマス、ハナカ、クワンザ、セイント・ルシアの日などなどあります。私はNAJC理事会を代表して、皆様がご家族や愛する方々と楽しい時を過ごされることをお祈りします。健康を祝い、餅、年越しそば、新年の正月料理をお楽しみください。