NAJC会長のメッセージ 2021年3月

ロリン・オイカワ

75年前、日系カナダ人は、連邦政府に対して起こした訴訟の最終判決を、英国枢密院から受け取りました。この訴訟は、連邦政府が日本人を祖先に持つカナダ人を、日本に追放しようとした政策に関するものでした。英国枢密院は、日系カナダ人の日本への追放を、合法的だと認めました。この判決に対する「ニューカナディアン紙」の反応は、次のように揺るぎのないものでした。「我々は、我々の主張が正義だと信じるので、戦いを止めない。カナダには民主主義があると信じる。」

誰も止める者のいなくなった連邦政府は、日系カナダ人の人権と自由を剥奪しました。約80年前の1942年2月26日に、日系カナダ人の大規模な強制移動が始まりました。中には、たった24時間の猶予しか与えられずに、自分の家を追い出された人たちもいました。1942年3月4日に、日系カナダ人は、全ての資産と個人的な持ち物を、「敵性外国人資産管理人」に提出することを命令されました。この命令は連邦政府内閣令1665号によるもので、合法化された窃盗にほかなりませんが、政府は日系カナダ人の資産を保護するためだと、強弁しました。そして、1942年3月16日に自宅から追い出された日系人の第一団の8,000人余りが、バンクーバーのヘイスティングス・パークに到着しました。そして、収容所に移動するまで、何ヶ月もここに閉じ込められていました。私の母方の一家もここにいました。日系カナダは、これ以降も様々な不正義を、政府から受けました。日系カナダ人がBC州の太平洋沿岸に戻れたのは、第二次世界大戦が終結してから4年目の1949年でした。しかし、そこには、もう自分の家は、政府に売り払われてしまっていて、残っていませんでした。

このように3月は、日系カナダ人にとって重要な月です。3月にはもう一つ、忘れてはならない日があります。3月21日は「世界人種差別根絶の日」です。1960年のこの日に、南アフリカのシャープビルで、アパルトハイト政策に反対する平和的なデモの参加者が69名、警官によって殺されました。カナダから遠く離れたところで、人種差別によるヘイトで起きた事件でした。ヘイトは現在も横行しています。COVID-19パンデミック下で、ヘイト事件は増加しています。バンクーバー警察によれば、2019年から2020年にかけて、ヘイト事件は97パーセント増加し、アジア系カナダ人に対するヘイト事件は717パーセント増加しました。ヘイトは白人至上主義者とその仲間の言動や、社会の中に長年根付いている制度的な人種差別によって醸成され、カナダ先住民、人種的少数派に属する個人や団体を目標にしています。

人種差別を根絶する簡単な方法はありません。私たちは、個人、グループ、団体、企業、労働組合、学校、メディア、政府、として努力を続けなければなりません。この努力に大切な要素が一つあります。教育です。教育を通して、我々の経験を皆に伝え、皆の一体感を増強していくことが大切です。白人の入植前も含めたカナダ先住民の経験や、少数派カナダ人の経験は、いまだカナダの歴史の一部になっていません。私たちは、カナダの歴史の一部でない「他の人たち」と見なされているのです。私は4世ですが、未だに「あなたは、本当はどの国の人なの?」と質問されます。

NAJCは人種差別根絶に向かった活動を続けていきます。日系カナダ人の経験を皆と共有し、オンライの討論会を開きます。NAJCはオンラインの討論会を、COVID-19パンデミック以来、拡充してきました。また皆で集まれるまで、オンラインで会いましょう。オンライン会合の情報は http://najc.ca/online-programs/  。ニュースや情報の最新版を得る為にはNAJCのEニュースに登録してください、 http://najc.ca/subscribe/ 。

NAJCの3つのイベントをお知らせします。

3月25日木曜日午後4時半(パシフィック・タイム:PT)、午後5時半(マウンテン・タイム:MT)、午後6時半(セントラル・タイム:CT)、午後7時半(イースタン・タイム:ET)。

「ゴードン・ヒラバヤシ記念NAJC会長自由メダル授与式-1時間半のオンライン授与式です」。参加希望者は https://bit.ly/3dFtWPu から申し込んでください。授与式の詳細は、NAJCウェブサイトの、今月号の「ブレティン」に載っています。

NAJC芸術・文化・教育委員会は日系カナダ人作家二人の、近作についての質疑応答の1時間半のオンライン会合を開催します。

3月13日土曜日午後1時(PT)、午後2時(MT)、午後3時(CT)、午後4時(ET)

テリー・ワタダの新作ミステリー「死者の夢」について、著者との質疑応答。このミステリーは日系カナダ人の経験を元に多様な見方から表現した連作の最終作です。ワタダは最近、第5作目の詩の本、「四つの苦しみ」を出版しました。質疑応答に参加希望者は、 http://bit.ly/TWatada から登録してください。もっと情報が必要な方々には、 http://najc.ca/online-programs/ に情報が掲載されています。

3月27日土曜日午後1時(PT)、午後2時(MT)、午後3時(CT)、午後4時(ET)

グレース・エイコ・トムソン「チウラ・サクラ」について、著者との質疑応答。この本はトムソンの母親の回顧録の一部と、母親の言葉の回想を綴ったものです。質疑応答に参加希望者は、 http://bit.ly/GThomson  から登録してください。もっと情報が必要な方々には、 http://najc.ca/online-programs/ に情報が掲載されています。

NAJCは日系カナダ人社会の才能ある人たちの紹介の他に、日系カナダ人の創造的な仕事を支援しています。NAJCの寄贈基金を元にした二つの支援プログラムがあります。「文化発展支援プログラム」と「スポーツ、教育、芸術発展プログラム」です。今年の応募締切は6月30日です。応募資格、応募要項についてはNAJCウェブサイト http://najc.ca/funds-and-awards/ を御覧ください。尚、応募についての質疑応答オンライン会合を3月中に予定しています。またNAJCウェブサイトによくある質問と回答を掲載します。

ご存知のかたもいるかもしれませんが、私はメトロ・バンクーバーの一部のサーリー市の「サーリーの日系カナダ人の歴史発見」イベントに参加してきました。このたび、このイベントで、サーリー市のニュートン地区のベアクリーク公園に、日系カナダ人の記念碑を建てることになりました。記念碑はサーリー市の地図に、1940年にサーリーに住んでいた日系人の名前を、その家のあった所に書き込んだものです。

サーリー市ではサーリーに住んでいた日系カナダ人の情報を集めてきましがた、情報を確認するために、皆様の協力をお願いしています。現在までに、サーリー市の集めた日系カナダ人の名前は次のとおりです。ヒラサワ、ミヤザキ、オオタ、シンモト、シノハラ、ホリ、イノウエ、カワゾイ、オオノ、ヤスイ、イマハシ、ナカムラ、ミント、シゲタ、ハシダ、キムラ、モリオカ、オカザキ、ニシオカ、フクシマ、ヒナツ、です。この人たちの情報または経験をご存知のかたは、至急、ご連絡ください。記念碑は2021年夏に建つ予定です。この人達の名前と住所を書いた地図がNAJCウェブサイト http://najc.ca/japanese-canadian-residents-in-1940-surrey/ に掲載されています。

最後の呼びかけは日系のメディアに対する支援です。「日系ボイス」は現在、募金キャンペーンをしています。あなたが募金すると、それと同額が10,000ドルまで、他から補填されます。詳しくは www.nikkeivoice.ca/donate をご覧ください。

「ブレティン」購読希望者はhttp://jccabulletin-geppo.ca/about-2/jcca-bulletin/membership/  をご覧ください。これらの雑誌は日系カナダ人社会のニュース、経験、意見を交換、共有するために不可欠です。皆様の支援をお願いいたします。

では皆様、安全にお過ごしください。NAJC全国理事会から、皆様の支援にお礼申しあげます。

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